モンタルチーノの北東側に約50haの土地を所有する1968年創立のワイナリー。アジエンダ・アグリコラとして瓶詰めを本格的にスタートしたのは1993年です。約10haのなだらかな傾斜の畑は、全てカンティーナに隣接しています。日当たりの良いこの土地は、「ソラリア」の名前の起源に相応しい場所です。標高は300~350m、粘土質に砂質、ガレストロが混ざった土壌の畑には、平均樹齢25年程度の葡萄が植えられています。
オーナーであり、醸造家であるパトリシア・チェンチオーニは、二人の娘の優しい母親でありながら、祖父の畑を引継ぎ、ワイン造りのすべての仕事を取り仕切ります。常に穏やかで柔和なまなざし、決して多くを語らない彼女は、葡萄のポテンシャルをしっかりと引き出すという、基本的で最も大切な行程を実に丁寧に、かつ妥協せずに集中して行なっています。
畑を知り尽くした彼女は、畑の区画ごとに葡萄を仕込み、熟成期間の1年目には液体の状態をチェックしながら、大樽やバリックの旧樽を使い分け、熟成させています。2年目以降は樽にはほとんど触れず、ひたすら熟成を待ちます。樽の中での状態のより良いものをブルネロとし、更に熟成させていくという考え方です。余計な事はなるべくしない、葡萄の力を信じてワインを造っています。
オーナーをはじめ、ほぼ全員が女性のスタッフであり、女性らしい心配りが随所に感じられる造り手です。また、パトリシアの祖父は初代コンソルツィオの代表でした。モンタルチーノのDNAをしっかりと受け継いでいます。
酸のある赤スグリ系の味わいと香り、細かいタンニンが綺麗で酒質良い。シンプルだがフィネスがあり軽やかな為、ラタトゥイユのマリアージュがおすすめ。