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2017.10.05
ボデガス・シエラ・ノルテの「パシオン」は、日本で最も目に触れることの多いボバルのワインかも知れません（輸入元：株式会社スコルニ）。このボデガがあるカンポロブレ地区はDOウティエル・レケーナの中では最も内陸に位置し、標高は900メートルほどあります。風力発電のプロペラが建ち並ぶ丘の尾根を背景に、緩やかな傾斜地が広がり、見渡すかぎりブドウが植えられています。きっと１年を通じて強い風が吹くのでしょう。地面を覆う拳大の石ころが水はけの良さを示しています。 「DO内の他の地域よりも冷涼で、そのため収穫時期が10日〜15日も遅くなります。果実がゆっくりと成熟するおかげで、ワインは複...
2017.10.03
綺羅星のような高級料理が並ぶフランス食文化のなかで、一般的には決して高級というわけではないが欠かせない立ち位置にいるのがシャルキュトリーだ。ハム、ソーセージなどの肉加工食品で、通常は家庭で作るというよりは「シャルキュトリー」とよばれる専門店で加工、販売されている。ビストロの定番料理、リエットやパテ・ド・カンパーニュ、ブーダン・ノワールなどもシャルキュトリーの一種である。食材そのものよりも、素材の配合、調味料や加熱などの調理技法により味に大きな変化が生まれ、それぞれのお店にそれぞれの味がある大変に奥深い料理である。 例えば、ビストロ料理の定番であるパテ・ド・カンパーニュ、...
2017.10.02
今、フランスのボルドー地方に来ている。ずいぶん久しぶりのような気がするが、前回の訪問は3年前の2014年。ソムリエの石田博さんと一緒にグラーヴとペサック・レオニャンを回った。今回は王道中の王道、メドックだ。 中国という巨大市場を新たに手にいれたボルドーはあいかわらずの活況ぶり。そのおかげで品質向上の投資も進み、とくに有名どころのシャトーでは、世界的な建築家にデザインを依頼し、機能性以上に美的要素の備わった醸造設備の刷新が盛んに行なわれている。 昨年はボルドー市内にワインの一大博物館「シテ・デュ・ヴァン」が完成。ワインツーリズムも花盛りだ。その呼び水として...
