黒トリュフのタリアテッレとカンヌビ・ボスキス
2017.10.30
初めてトリュフなるものの香りを嗅いだのは、かれこれ30年前。当時、ワイン専門誌の駆け出し記者だった私は、FOODEX(フーデックス)という世界の食品展示会の取材に幕張まで出向き、とあるブースで生のトリュフを見つけた。 その黒い塊を物珍しそうに見ていた私に、ブースの担当者が「嗅いでみるか?」と聞くので、喜んで嗅がせてもらう。初めて嗅いだペリゴール産(だったと思う)の黒トリュフは、なんとも妖艶な香りを放っていた。その時初めて「アフロディジアック=媚薬」という言葉を知ったのだ。 それからわずか数日後、ジャン・ピエール・ムエックス社から社長のクリスチャン・ムエッ...