ワイン造りのフィロソフィー その③ 富永敬俊氏
2020.01.23
今回は白ワインに関するエピソードをお話しします。メルシャンは1984年に「東雲(しののめ)甲州シュール・リー1983」を発売し、甲州に厚みをつけることには成功しましたが、アロマティックな白ワインが造れないか検討を続けていました。2003年、山梨市のブドウ園の甲州を試験発酵したものから、ソーヴィニョン・ブランに似た柑橘の香りが感じられたことをきっかけに、2005年「シャトー・メルシャン甲州きいろ香2004」を発売することができました。背景には、“白ワインの魔術師”デュブルデュー教授の研究室で活躍していた富永さんとメルシャンの共同研究がありました。 甲州のアロマ 2003年9月...