SALON COLUMN

Vosne Romanee 2004

2016.08.25



Vosne Romanee 2004

また、思わぬタイミングで心を揺さぶられるワインに出会ってしまった。どういうわけか、驚くべきワインとの出会いは、レストランのしゃれたテーブルの上よりも、雑然としたキーボードのある仕事机の上で起こることが多い(笑)。
ちなみにこのワインを開ける気になった理由だが、「2004年のブルゴーニュはテントウムシ大発生の被害をどんな生産者も回避できず、ほとんどのワインがテントウムシいりのワインを作っている」と聞いたからだった。事実、8月の最初に飲んだ2004年マジ・シャンベルタンは全然だめだった。夏休みに入る前に飲んだ某ドメーヌのヴォーヌ・ロマネ一級レ・ボーモンも悲しい味わい。色も濁り気味だったし、なにやら脂ぽくて、おいしくなかった。 そんなこともあり、自分がもっている2004年のブルゴーニュを片っ端から開けてみようという気になっているのだ。その流れでセラーから引っ張りだしてきたのがこれだが、ごらんのようにエチケットもそっけないカンジで、「なんか地味そう」な印象。ところが……。
一杯飲んでみて、はっとなった。奥行きのある優美なワインで、脂臭さなどまったくなかった。
ドメーヌ・ファブリス・ヴィゴ、ヴォーヌ・ロマネ・コロンビエール。格付けは村名・畑つきというキュベだ。いろいろ調べてみると、当主のファブリス・ヴィゴ氏はアンリ・ジャイエのそば近くで仕事をし、この「神様」から直接薫陶を受けたようだ。
「神様ジャイエ」の「弟子」は、ブルゴーニュにもアメリカにもけっこういるのだが、このワインを飲んだ印象として、私はアンリ・ジャイエの教えを受けた人物が作っているというのは、誇張でもない気がした。 
草原の中で一休みするような自然の心地のよさ、そっと寄り添うような親しみやすさ、果実の優しい微笑み……アンリ・ジャイエのワインを私はそんなにたくさん飲んだわけでは勿論ないが、このように人を受け入れる、自然な、優しいワインだったような 気がする。この村名ワインにはジャイエのワインのように、飲んだあと舌の上でいつまでも鳴り響くような長い余韻はないが、ワイン自体の「美味さの余韻」は今も心の中に残っている……。
ワインの素晴らしさを測る物差しとして、もう一度飲んでみたくなるかどうか、というのがあると思う。人間でいうなら、また会ってみたいと思えるかどうか、ということ。私個人としては、このワインは、魅力的な人物と同じように「もう一度会ってみたい」と、確かに思える1本だった。



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久々のハワイで飲むワインは・・


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