SALON COLUMN

テロワールと天地人②

2019.11.05



テロワールと天地人②

前回はテロワール、天地人の 宇宙と人とのシステムについてお話ししました。
そこでお話しした呼吸と光合成はそもそも酸化と還元と言った、全く反対方向への生命体の営みです。
(勿論植物も落葉樹や日の光が無い時などは、光合成なしに植物も呼吸もしております。)

今回は、「植物はなぜ動物になったか?」をお話しします。
この世に生まれた生命体が、なぜ動物になったか?動き回る必要があったか?を考えてみましょう。
いわゆる種の保存と繁栄を考えるならば、一箇所にとどまり、同心円的にその縄張りを広めるだけではなく、積極的に地球上を動き回る方法が最適と考えましょう。(皆様、食べて寝てばかり居ないで、動きましょう、運動しましょう) 植物と動物の違いとしては、タンパク質、アミノ酸、さらに言えば窒素(N)の含有量ではないでしょうか?
動物は筋肉を持つがゆえに、窒素含有量が多い生命体であり、アミノ酸の、アミノ基(N)は動物側、カルボキシル基(C)は植物側の合同作品と言えそうです。
また、その中でも動き回るための筋肉の主成分としてのアミノ酸、特に必須アミノ酸の中でも分岐鎖アミノ酸 バリン、ロイシン、イソロイシンが その主成分とされています。 余談ですが、きのこって植物、動物??
勿論イメージ的には植物ですが、なんときのこ(菌類)って、何方かというと動物なのです。
光合成をしない、栄養分は周りから分解吸収しながらどんどん育っていく、という意味では、「きのこは動物」ということになります。
さてさて理科の授業や、スポーツ医学、アスリート教育ではないので、一旦話しを戻しますと、動物は必須アミノ酸(己の身体の中で作れないアミノ酸)を求める為に、動かなければいけない運命、パラドックスに嵌り込んでしまったとも言えます。。動かなければ生きていけない。

そして動物は、必須アミノ酸を探す旅に出ます。



植物から動物へ 必須アミノ酸を探す旅


動物は、その種の保存や繁栄の為にはタンパク質を旅の探すコンパス(羅針盤)が必要です。
他の食物、特に動物を探す場合は、時として視力は、時に無力となります。見つけて食したい獲物はた易く隠れます。その場合は、香りや味によって、その方向性やその探索意欲が左右されます。獲物はどちらにいるか?何か?美味しそうか?などなど…。香り、アロマは植物学ではフィトンチットと言って植物が出す香りの情報元でありますが、味(味覚)の探索エネルギーはなんでしょう? それは旨み成分の一つ、グルタミン酸が主役となります。味の素の科学者池田菊苗氏により、発見された旨み成分-グルタミン酸は、アミノ酸系の旨み成分、昆布ダシに入っていることで有名です。グルタミン酸は非必須アミノ酸ではありますが、実は動物の死骸から、まず最初にでる味覚-タンパク質とも言われています。旨みを察知することにより、より容易に、己の筋肉構成に最も大切な必須アミノ酸、特にバリン、ロイシン、イソロイシンといった分岐鎖アミノ酸を手に入れることができます。



旨み成分の一つグルタミンは昆布ダシに入っていることで有名です。


また、食物を探すエネルギーを費やし、捕獲したあと、疲労した身体と心を癒してくれるものは?
ある時、腐った(発酵した)ブドウを食べた兵士が、あまりの気持ち良さに戦意を消失した、とありますが、これが、発酵したブドウから得られたワインの香り、アルコールの薬理作用のコンプレックスと言われており、人は闘争、の後の快楽を求める、いわゆる心理学でいう報酬系のブースター(起爆剤)として、ワインが存在するかもしれません。



腐ったブドウを食べた兵士があまりの気持ち良さに戦意を消失したというお話しがあります。


今回は、動物がなぜ動き回るか、の私見をグルタミン酸とアルコールからお話しさせて頂きました。
次は、そもそも香りって、アロマって、こころのなんだろう?旨みの動植物分類?旨みってなんだろう、嗜好ってなんだろう?をお話しします。


Writing by Shinichiro Torii



医療法人社団 湘南太陽会 理事長 鳥居 伸一郎 東京慈恵会医科大学卒業。平成4年横浜市金沢区に「鳥居泌尿器科・内科」を開業。その後、横浜市内に3つの分院を開業。
平成26年に統合医療研究所「T-LAB.」を設立、香りと音の機能性を中心に幅広く臨床試験を行う研究活動を行っている。さらに、株式会社 Music & Aroma Intelligenceを設立し、縦横を越境した多分野から五感により音楽や香りを考究し、真の健康や幸せを求める人々に向け、情報の提供活動を行っている。
著書に「本当に健康になれる医療との付き合い方」(幻冬舎MC)、「脳に効く香り」(フレグランスジャーナル社)がある。




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