レミーのおいしいレストラン風ラタトゥイユとプロヴァンス・ロゼ
2018.08.30
「レミーのおいしいレストラン」を覚えている方はいらっしゃるだろうか? 2007年に公開されたピクサーのアニメ映画。フランス料理のシェフになることを夢見るネズミのレミーが、なにをやっても駄目な見習いシェフのリングイニを二人羽織の要領で操り料理を作る。ある日、料理評論家のイーゴがリングイニの店に訪れ、旬の特別料理を所望。レミーが作ったのはラタトゥイユ。南仏名物、夏野菜の煮込みだった。
それまで僕が目にしたラタトゥイユは、ズッキーニやナス、パプリカなどの野菜を賽の目状に切ったものだが、レミーのそれはズッキーニやナスを薄くスライスして重ねた料理。ラタ=ごった煮という語源からはかけ離れた、洗練された料理だった。
先日、30年ぶりに会った知人から、ズッキーニ、ナス、トマト、パプリカなど夏野菜をたくさんいただいた。すると翌日の晩留守にする家内が、「これでラタトゥイユ作ったら?」と提案。ふつうに作っては面白くないと、あのレミーのラタトゥイユに挑戦することにしたのだった。
「レミーのおいしいレストラン、ラタトゥイユ」で検索すると、レシピがいろいろと出てくる。その中で一番美味しそうでかつ簡単そうな、下記YouTube動画のレシピを参考にした。
レミーのおいしいレストラン、ラタトゥイユ
レシピどおりといかなかったのがトマトだ。映画ではトマトも薄くスライスし、ズッキーニとナスの間に挟んでいたけど、我が家の包丁は切れ味がいまいちで、トマトを2ミリ厚くらいに切ろうとするとグジャッと崩れてしまう。仕方がないので4等分して並べたが、映画のようにスライサーを使えばうまくいったのかもしれない。
味の決め手は野菜の下に敷くトマソース。タマネギのみじん切りをよーく炒め、トマト缶を加えて水分がなくなるまでコトコト煮込む。おっと、この時にローリエやタイムなどのハーブを忘れてはいけない。ローリエは庭に植えてある月桂樹の葉を天日干しにした自家製だ。
ワインは定番のプロヴァンス・ロゼ。日本には新しくお見えするドメーヌ・ガヴォティのコート・ド・プロヴァンス”キュヴェ・クラレンドン”にした。最近のプロヴァンス・ロゼは直接圧搾によって造られた、色調は淡く、風味も繊細なタイプがほとんどだが、これは半分がマセレーション。果皮を果汁に3~6時間漬け込んでいるので色調もしっかりしているし、味にもボディがある。
マッチングの決め手は南仏ハーブのフレーバーだろう。ラタトゥイユとプロヴァンスのロゼさえあれば、誰もが南フランスのリゾート地を、バカンスに訪れた気分に浸れるのだ。
◆おすすめプロヴァンスロゼワイン
プロヴァンスのワイナリー 「シャトー・ミニュティー」は、コート・ド・プロヴァンスで23しかないClassed Growth(クリュ・クラッセ)の一つに選定されたプロヴァンスワインの名門。1936年創業で、2016年で80周年目。南仏の高級飲食業態を中心に販売される有名ブランドです。