SALON COLUMN

ドノスティア風カニとビーニャ・レアル・レセルバ

2018.07.24



ドノスティア風カニとビーニャ・レアル・レセルバ

一度は訪ねてみたいと思いつつ、なかなか願いが叶わずにいる土地がスペインのバスク地方。ビスケー湾に面したサン・セバスティアン近郊には、「アルサック」「マルティン・ベラテサギ」「ムガリッツ」などミシュランの星付きレストランが軒を並べる。

そしてサン・セバスティアンから西へ100キロほど離れた、スペイン・バスクを代表する都市がビルバオだ。フランク・ゲーリー設計のグッゲンハイム美術館が象徴的なビルバオもまた、サン・セバスティアンに負けず劣らずの美食都市。近郊にはミシュラン三つ星の「アスルメンディ」がある。オーナーシェフのエネコ・アチャが初めて三つ星を獲ったのは2012年。35歳で三つ星獲得は、当時、国内最年少という。

そのエネコ・アチャが昨年、東京・西麻布にオープンした姉妹店が「ENEKO TOKYO」をオープン。先日スペイン王室御用達のワイナリー「C.V.N.E」とコラボレーション・ディナーを催すというので伺った。

まずは1階のグリーンルームで1杯。フランスならアペリティフだが、ENEKOではピクニックだ。可愛らしいバスケットに並んだフィンガーフードをつまみながら、C.V.N.E.傘下のカバ「ロジャー・グラート」のグラン・レセルバで喉を潤す。そしていよいよ2階のダイニングへ。



フィンガーフードも鰻のブリオッシュやバスク名物の白ワイン、チャコリのカイピリーニャなどアイデア満載。席についてからの前菜も、キャビアが添えられた見た目羊羹のカリフラワーや、エネコ・シェフのスペシャリテ、トリュフ風味の卵、それに煙をまとって登場する雲丹のテクスチャーなど、驚きの連続だった。しかも単に気をてらった演出で終わらず、それぞれ素材の風味やテクスチャーがしっかりと料理に生かされている。

これらの前菜に合わせたワインは「ビーニャ・レアル・ブランコ」の2016年。ビウラをオーク樽で発酵させたリオハの白ワインである。これがリオハの伝統的スタイルと言ってしまえばそれまでだが、もう少しオークのニュアンスが控えめであったなら、3品ともによりぴったりなペアリングが楽しめたに違いない。C.V.N.E.のラインナップには「モノポール」という、ビウラをステンレスタンクで発酵させた白ワインもあるので、本音をいえば、そちらとの組み合わせも試してみたかった。


一方、今回のディナーでもっとも感動した組み合わせが、ドノスティア風カニと2013年の「ビーニャ・レアル・レセルバ」とのペアリング。ドノスティアとは、バスク語でサン・セバスティアンのこと。どこがサン・セバスティアン風なのか聞き忘れたが、ご覧のとおり、カニのオーブン焼きである。こんがり焼かれたパン粉の下にカニの身がふんだんに詰まっていた。



これこそ先ほどのビーニャ・レアル・ブランコだろうと凡人は思うのだが、いやいや、これが赤ワインのビーニャ・レアル・レセルバとぴったりだったのだ。近頃、甲殻類には白よりも赤のほうがぴたっとはまる例を経験する機会が少なくない。風味の強さや食感にその理由はありそうだが、ビーニャ・レアルの説明を聞いているうちに、はたと思いついたのが「土地の密約」である。

リオハというワイン産地は大きく3つの地域に分けることができる。リオハ・アルタ、リオハ・バハ、それにリオハ・アラベサだ。このビーニャ・レアルはリオハ・アラベサにあるC.V.N.E.のワイナリーで、ブドウもすべてこの地域のものが使われている。そしてリオハ・アラベサは3つの中で唯一、バスク州アラバ県に属する地域。バスク州のワインがバスク料理に合わないはずがないではない! この後、魚料理、肉料理と続き、ワインもC.V.N.E.のフラッグシップ「インペリアル・グラン・レセルバ」が登場するのだが、すでに文字数オーバー。またの機会に。

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