SALON COLUMN

すっぽんとオールド・ヴァインズ・クリオージャ

2018.06.28



すっぽんとオールド・ヴァインズ・クリオージャ

ワインの品質にとって、ブドウの樹齢は大切な要素。樹齢が高いほど根を深くまで張り巡らせてさまざまなミネラルや栄養素を吸収し、たくさんの房を実らすことが出来なくなる一方で凝縮した実をつける。寡作ながらも優れた逸品を生み出す老職人のごとしだ。

アルゼンチン北部カルチャキ・ヴァレーのエル・エステコ・ワイナリーには、樹齢60年になるクリオージャが栽培されているという。

クリオージャはカリフォルニアのミッションやチリのパイスと同一のブドウ品種で、16世紀頃、カトリックの宣教師によってスペインから持ち込まれたと考えられている。かつてはアルゼンチン中で栽培され、庶民の日常用のワインがこの品種から造られていたが、やがて輸出に有利なカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネに押しのけられてしまった。



しかし、エル・エステコの醸造責任者、アレッハンドロ・ペパは古木のクリオージャを用い、軽やかながら味わい深いロゼワインに仕上げることに成功。ラベルにある1958の数字はブドウが植えられた年を表しているが、それ以前の記録が見つからないだけで、実際にはさらに古い樹も植わっているらしい。このクリオージャを手摘みし、コンクリートタンクで自生酵母による自然発酵。無濾過で瓶詰めしている。

エル・エステコのほかのラインアップとともに、オールド・ヴァインズ(古木)クリオージャのお披露目が行われたのは、京料理の「本家たん熊」本店。日本ソムリエ協会のソムリエ資格ももつ4代目若主人、栗栖純一さんがエル・エステコのワインに合わせて、その日の献立を組み立てた。



そしてこのオールド・ヴァインズ・クリオージャに栗栖さんが合わせたのはすっぽん。「丁子やナツメグなどのスパイスを感じ、血っぽさや土っぽさも感じられたので」と栗栖さん。「湖のジビエ」というすっぽんはたん熊の名物料理で、土っぽさがあり、血液のニュアンスも強い。また炊く時にたくさんの生姜を入れるので、スパイシーさも同調するという見立てだった。

実際にクリオージャを味わってみると、渋みの少ないしなやかなテクスチャーで、赤い果実の中にハーブとスパイスが感じられる。これが古木の効果なのか、みずみずしいのにコクがあり、重層的な味わい。だからこそクセの強いすっぽんにもぴたりとはまるのだろう。

それにしても「タートル」と聞いた時の、エル・エステコのアジア地域輸出担当ハビエルの顔ったらなかった......。



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