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チェコ・ワインを少しだけ❼

2018.02.28

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チェコ・ワインを少しだけ❼

6回にわたってレポートしてきたチェコ・ワインの世界。最終回の7回目は、未収録の雑ネタを含めて「おさらい」をできたらと思います。

チェコ語は世界でも最も習得するのが難しい言語と言われています。アクセントがたくさんついた文字面を見るだけで尻込みしてしまいますが、強引にローマ字読みで読めば、それなりに伝わるようです。基本のキであるワイン用語をチェコ語で書き残しておきましょう。

Bílé vino(ビレー・ヴィーノ):白ワイン

Červené vino(チェルヴェネ・ヴィーノ):赤ワイン

Růžové vino(ルージョヴェ・ヴィーノ):ロゼ・ワイン

Šumivé vino(シュミヴェ・ヴィーノ):スパークリング・ワイン



プラハのワインバー「レッド・ピフRed Pif」の入り口。



「レッド・ピフ」は、地元の気鋭のフーディー・ブロガーが高く評価する店。

チェコ・ワインに使われるブドウ品種は、いわゆる寒冷地適応品種で、その多くはドイツやオーストリアと共通するものですが、ものによっては独特のシノニム(別名)で呼ばれています。例えば、グラウフレンキッシュはフランコフカFrankovka、グリューナー・フェルトリナーはヴェルトリンスケ・ゼレネVeltlínské zelenéといった具合です。ややこしいですが、例えばドイツでピノノワールのことをシュペートブルグンダーとドイツ風に呼んだほうが現地っぽく響くように、お国の言葉にはローカリズムを引き立て、旅情を湧かせるものがあります。僕は元来、ワインは旅と極めて親和性の高いものだと考えているので、その意味では、「ややこしい品種名」はむしろ大歓迎なのです。


「レッド・ピフ」のテーブル席。

品種のことで補足しておくと、チェコには土着品種と呼べるものはありませんが、その代わり、珍しいハイブリッド品種が多く見られ、それらを使ったワインのなかには極めて優れたものもあります。白ブドウのパラヴァという品種名は覚えておいて損はしないと思います。

チェコ・ワインの主要な産地は東部モラヴィア地方、中でも南部のパラヴァの丘を中心としたエリアです。世界遺産に登録されているヴァルチツェ城を訪ねることがあったら、ぜひ地下のワイン・セラー兼ワイン博物館(当レポートの第2回で紹介)を訪ねてもらいたいと思います。近年は、西部のボヘミア地方からも素晴らしいワインが出てきているという動きも確認しました。ただ、それらの多くは生産量が極少で、日本への輸出は夢のまた夢という感じ。それでも、例えばプラハの「ヴィノグラフ」のようなワインバーでなら、ツーリストでも味わうことができます。


プラハ最後の夜のお供にはグリューナー・フェルトリナー(左)とサン・ローラン(右)を選んだ。

「ヴィノグラフ」といえば、プラハでは毎年1月半ばに「プラハ・ワイン・ウィーク」というイベントがあります。「ヴィノグラフ」とヴァーツラフ広場にある「ホテル・ヤルタ」が試飲会場になり、その他の参加レストランでも特別メニューが用意されるそうです。プラハ城の城壁の下の傾斜地にはブドウ畑が開かれています。ここのブドウから造られる“プラハ・ワイン”を試すことと、ボヘミア地方の小さなワイナリーを訪ねることが次のチェコ訪問の目的になりそうです。


プラハ城の城外に広がるブドウ畑。

チェコ取材から東京に戻り、しばらくしてから訪ねた都内のフレンチの新店で、ナチュラル・ワインが並んだリストにチェコ・ワインが一つ入っているのを見つけました。チェコ・ワインは、「知られざる存在」だと思っていましたが、いつの間にか「知る人ぞ知る存在」になっていたのだなと、我が認識を改めたところです。


夜のカレル橋。すれ違ったうつむき加減の男はフランツ・カフカだったかも?


Photographs by Tiasuke Yoshida



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