SALON COLUMN

サン・マルスランチーズとボージョレ・ヌーヴォー

2017.11.20



サン・マルスランチーズとボージョレ・ヌーヴォー

今年もこの日がやってきた、ボージョレ・ヌーヴォー。

 

解禁日当日(今年は11月16日)すでに堪能された方もいらっしゃるでしょうが、我が家は家内が出張中だったのでその3日後に解禁。ボージョレ・ヌーヴォーに合わせ、パリの空港であるものを仕入れてもらった。そのあるものが何かはひとまず置いといて、ボージョレ・ヌーヴォーとはなんぞやという話から。

 

しばしばヌーヴォーと略されるボージョレ・ヌーヴォー。ボージョレがワインの産地名、ヌーヴォーは新酒という意味。ボージョレ地区はフランス第二の都市リヨンの北に位置し、ガメイというブドウ品種からフルーティーなワインが造られている。

 

もとはその年の収穫を寿ぐため、出来たばかりのボージョレを、近隣の村々やリヨンのブションと呼ばれるビストロで飲んでいたことが始まり。やがて交通の発達とともに、パリのブラッスリーなどでも楽しまれるようになった。そして、パリのブラッスリーでは「Beaujolais Nouveau est arrivé !」(ボージョレ・ヌーヴォー、ただいま到着!)の看板を掲げることがひとつのブームに。

 

ところがこれもエスカレートすると、我先に飲もうという輩が現れる。そこで過剰な早飲み合戦を避けるべく、解禁日を設けることになったのだ。最初の解禁日は1951年に定められた12月15日。その後幾度か変更され、現在のように11月の第三木曜日になったのは1986年だ。

 

日本でボージョレ・ヌーヴォーの第一次ブームが起きたのもちょうどその頃。時はバブル時代、日付変更線の関係から本国フランスよりも早く飲めると宣伝され、航空便で割高なのも気にすることなく、成田空港にはボージョレ・ヌーヴォーの積まれた貨物機が飛来した。

 

今は解禁日当日の午前0時までに抜栓、消費しなければお咎めなしだが、当時は成田の保税倉庫を出られるのが解禁日当日の午前0時。成田空港周辺のホテルでボージョレ・ヌーヴォー・パーティが開かれたりと、いかにもバブル時代を彷彿させる光景が散見されたものである。

 

さて、そこでボージョレ・ヌーヴォーを何と合わせるか。家内にパリの空港で調達を依頼したのは、サン・マルスランというチーズだ。このドーフィネ地方の白カビチーズは、昔からボージョレと合わせるのがお決まり。クセの少ないクリーミーなチーズなので、軽めの赤ワインとの相性がよい。

 

 

 

今年のボージョレ・ヌーヴォーは春の天候が不安定で量こそ少なかったものの、気温が高く、乾燥した夏のおかげで凝縮された味わい。もともとフルーティなボージョレ・ヌーヴォーだが、そのフルーティさが増幅され、果実の甘みが口の中いっぱいに広がる。チーズもミルクの香りとクリーミーなテクスチャーがさらに強調され、双方ともにウィン・ウィン。なるほど、昔から定番とされるマリアージュには理があるものだと納得した。

 

 

じつはボージョレの帝王、ジョルジュ・デュブッフの孫にあたるアドリアンからは、「ボージョレにはカツ丼が合う」と聞いている。来年はぜひ、カツ丼とボージョレ・ヌーヴォーを試してみたい。



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