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ビオワインとは|2つの主な農法とオーガニックワインとの違い

2017.09.27



ビオワインとは|2つの主な農法とオーガニックワインとの違い

「ビオワイン」といわれるワインを多く見かけるようになりました。
「ビオ」という言葉を耳にすると、「無農薬」「有機栽培」「自然農法」「無添加」といったキーワードを連想する人が多いかもしれません。同じようなワインに「オーガニックワイン」があり、ビオワインとオーガニックワインの違いや、それぞれのワインの概念は複雑です。
今回はビオワインについて詳しく知りたい人のために、ビオワインがどのようなワインなのか、オーガニックワインとどう違うのかといった点について解説します。

【目次】
1. ビオワインとは?
2. 「ビオロジック農法」と「ビオディナミ農法」
3. ビオワインとオーガニックワインの違い
4. 正しい知識を通じて生産者を知ることが大切

ビオワインとは?


ビオワインとはそもそもどんなワインなのでしょうか。まず、ビオワインの基礎知識をお伝えします。

●2つの農法で栽培されたブドウから造られたワイン
「ビオワイン」は「ビオ」と「ワイン」を組み合わせた造語です。有機栽培、有機加工食品のことを「BIO(ビオ)」と呼ぶため、有機栽培のブドウを使って造られたワインのことを日本国内ではビオワインと呼んでいます。

欧州では、化学肥料や除草剤を使わず有機栽培でブドウを育て、自然酵母(野生酵母)で発酵させたワインを、自然派ワインという意味の「ヴァン・ナチュール(Vin Nature)」と呼びます。
ブドウの栽培方法には、主に「ビオロジック農法」と「ビオディナミ農法」という2つの農法があります。
ビオロジック農法・ビオディナミ農法ともに、化学合成の肥料や除草剤、殺虫剤は使用できません。ただ、ブドウは非常に繊細な作物なので、ベド病やウドンコ病などの対策のためには一部農薬の使用を認められています。
一般的なワインには、発酵前のブドウ果汁が傷んだり、酸化によって劣化したりするのを防ぐため、亜硫酸塩(酸化防止剤)が入っています。ヴァン・ナチュールは、亜硫酸塩を一切使用しないで造られることもありますが、瓶詰めの前の少量の亜硫酸塩の使用は認められています。

●ビオワインには厳密な定義がない
ビオワインの定義は曖昧で、はっきりとしたものがまだありません。
日本国内で、「有機」「オーガニック」という名をワインにつける場合、農林水産省の定めている第三者機関より有機JAS認定を取得することが決められています。ところが日本国内で「ビオ」と付けるのは認証の必要がないので、ビオワインと名乗るのは生産者の自由です。

フランスには、オーガニックを認証する機関があり、「エコセール」「ナチュール・エ・プログレ」などがそれに当たります。オーガニックをうたうためには認証機関の認証が必要で、認証されたワインには認証マークのラベルが貼られています。この認証を受けるか受けないかは生産者の自由です。
なお、EUでは2012年にオーガニックワインの基準を発表し、基準をクリアしたワインには「organic wine」というラベルの表示を認めています。

●ビオワインの特徴
時にはヒネ臭を感じられるものもあるなど、独特で複雑な香りや味わいが特徴です。
また、亜硫酸塩を添加しない場合は酸化しやすく、雑菌が入った場合に繁殖してワインが腐敗してしまうこともあります。

「ビオロジック農法」と「ビオディナミ農法」


「ビオロジック農法」と「ビオディナミ農法」、2つの農法を詳しく解説します。



●ビオロジック農法
ビオロジック農法とは、いわゆる「有機農法」のことです。鶏糞や羊糞などの有機肥料を使用することが前提とされています。EUの場合ですが、有機肥料を使用する場合は、EUで認証されたもの以外は使えません。また、遺伝子組み換えおよび放射線処理も禁止されています。
ちなみに、病害虫予防、天敵昆虫などの生物除去は認められています。例えば、ベト病予防に効果があるとされる硫酸銅と石灰を混合した「ボルドー液」などがそれに当たります。

有機農法では、これまで醸造に関する規定はありませんでした。しかし、EUのオーガニックワインに関する新規定では、亜硫酸塩の使用量について通常のワインより下回っていなければならない規定が発表されました。
ただし、日本国内でビオワインと名乗っている場合は、亜硫酸塩の使用量に規定がないため、ビオロジック農法を採用していても、通常のワインと同様に亜硫酸塩を添加している生産者もいます。

●ビオディナミ農法
英語読みでは「バイオダイナミクス」と呼ばれるビオディナミは、ビオロジック農法がベースとなった有機農法です。オーストリアの人智学者ルドルフ・シュタイナーが20世紀に提唱した理論に基づいて生まれた農法で、土壌や植物、生物はもちろん、天体の動きまでも反映した独特な栽培方法として知られています。
ビオディナミ農法では、「播種(はしゅ)カレンダー」という星の位置などを記した種まきカレンダーを使用します。
ビオディナミ農法が独特といわれるのは、自然素材由来の肥料を利用するところです。例えば、牛糞やタンポポなどを牛の角や腸に詰め、土中で寝かせたものを肥料として活用します。

ビオディナミ農法の認証団体である「デメター」では、従来より続けられていた栽培規約に続いて醸造規約も定められました。ビオディナミ農法で栽培されたブドウで造られたワインの場合、亜硫酸塩の量は完全無添加、またはビオロジックよりも少ない傾向にあるといわれています。

ビオワインとオーガニックワインの違い


ビオワインと似た位置づけのワインに「オーガニックワイン」があります。次にオーガニックワインの定義を見てみましょう。

●オーガニックワインの定義
オーガニックワインとは、オーガニックブドウから造られるワインのことです。
原則として、化学肥料、農薬、除草剤を使用せず、遺伝子操作や放射線処理が禁止された有機農法によって生産されたブドウ(=オーガニックブドウ)を用いて、造られます。

●EUでは醸造についての規定も
EUでは、以前より「オーガニックブドウから造ったワイン」に関する規定が存在していました。2004年には「Organic Action Plan」にて、農産物全体のオーガニック基準を示していたものの、ワインは醸造過程に複雑な問題があり、統一的な基準を設定できていませんでした。
しかし、2012年のEU規則により、オーガニックワインについての基準が制定され、醸造方法やワインに含まれる物質についてもルールが設けられたのです。
この規定では亜硫酸塩の添加量が大きく変わりました。赤ワインは使用上限が1リットル当たり100ミリグラム、白ワインとロゼワインは1リットル当たり150ミリグラムです。
ただ、残糖が1リットルにつき2グラムを超えている白ワインとロゼワインは、上限を1リットルにつき30ミリグラム分引き上げることが規定されています。
赤ワイン・白ワイン・ロゼワインはそれぞれ従来の基準に比べて、亜硫酸塩の使用上限が1リットル当たりで30ミリグラム~50ミリグラム少なくなることになりました。

●オーガニックワインには認証が必要
オーガニックワインを名乗るためには、認証が必要となります。オーガニックワインの表示が認められるのは、2012年収穫分以降で新規約を遵守したワインのみです。また、EUのオーガニックロゴおよび認証機関コードの記載も必須となるため、これらのロゴやコードがラベルに記載されているワインが、オーガニックワインとして認定されている目印になります。
ちなみに、EUのオーガニックロゴは、「ユーロリーフ」とも呼ばれており、EUの旗に由来する星と葉をかたどった緑色のデザインです。

●EUでは「BIO」もオーガニック
EUでは、「BIO」はオーガニックとして規定されています。
日本ではビオワインについての定義が曖昧なため、自主申告のビオワインと認証を受けたオーガニックワインが混同されることがあります。
EUでは「BIO」もオーガニックとしてくくり、名乗る場合はオーガニックの認証が必要です。

正しい知識を通じて生産者を知ることが大切


ビオワインにはきちんとした定義がなく、現状では主に有機栽培されたブドウから造られたワインのことを表しています。EUでは認証を受けたものがオーガニックワインと名乗っていますが、日本国内で流通しているものの中には独自の判断でビオワインと付けている生産者も一部います。
もし、確実にオーガニックな栽培方法と醸造方法で造られたワインを望むなら、EUの認証マークが付いているものを選ぶのが安心です。
安全でおいしいビオワインを飲みたいのであれば、オーガニックの知識を身に付けるのはもちろん、生産者について知ることも大切です。



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