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イタリアワインの特徴と主な産地|太陽の恵みを受けた陽気なワイン

2017.09.22



イタリアワインの特徴と主な産地|太陽の恵みを受けた陽気なワイン

南北に長く伸びた長靴形のイタリア半島は、温暖で日照量も多く、ブドウ栽培には理想的な環境に恵まれています。そのため、イタリアは全土でワイン造りが盛んです。
ひと口にイタリアワインといっても、ブドウの品種や栽培方法、ワインの醸造方法は産地によってそれぞれ異なります。
今回は、イタリアワインの多彩な魅力についてご紹介します。

【目次】
1. イタリアワインの特徴
2. イタリアワインの代表的な産地
3. イタリアワインの格付け
4. イタリアワインの多彩な個性を楽しんで、お気に入りを探そう

イタリアワインの特徴


イタリア各地に昔から根付いて栽培されている土着品種は数千種類あるといわれ、政府が公認しているものだけでも400種類以上にも及びます。
イタリアのワインの特徴は、なんといってもその「多様性」でしょう。

●ワイン造りの始まりは紀元前10世紀ごろ
イタリア半島は、北側をアルプス山脈に守られ、地中海に突き出した形で温暖な気候に恵まれているのが特徴で、紀元前10世紀ごろからワイン造りが行われていたといいます。
また、古代ギリシャ人がイタリア半島を「エノトリア・テルス(ワインの大地)」とたたえて称したことからも、イタリアに根付いたワイン造りの歴史の深さがうかがえます。

●イタリアワインが多様性を持つ理由
1861年にイタリア王国として国家が統一されるまで、イタリアは各地で多様なブドウ品種が生育され、独自の発展を遂げてきました。そのため、今日に見られる多様性が育まれることとなったのです。
また、イタリアにおいてワインは食事の一部として人々に楽しまれ、生活に欠かせないものとして発展しました。20の州それぞれの土地や気候に根付いたブドウから、その地の伝統的な地方料理に合わせて、個性豊かなワインが造られてきました。

●「イタリアワイン・ルネサンス」と高品質化
かねて「質より量」という風潮があったところに、フィロキセラ禍や度重なる戦禍によってブドウ栽培が壊滅的な打撃を受けると、イタリアワインの名声も一時期低迷してしまいます。
しかし、1970年代から、世界に通用する高品質なワイン造りを目指す動きが一部の生産者たちの間で起こり、「イタリアワイン・ルネッサンス」と呼ばれる動きとなって、急速にイタリアワインの近代化と高品質化が進みました。最先端の醸造技術を導入したり、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどの国際品種を植えたりするようになったのです。
最先端の技術により醸造されたワインが世界的にも高い評価を受けている一方で、近年では従来の伝統的なブドウ品種や栽培・醸造方法を守ろうとする動きもあります。造り方のスタイルは違っていても、ワイン造りにかける思いはどちらも同じです。造り手たちはイタリア各地で試行錯誤を繰り返しながら、土地と造り手の個性を十分に発揮するワインを造るべく、今日もチャレンジし続けています。

イタリアワインの代表的な産地


バリエーション豊かなイタリアワインの中でも、特に高い品質とイタリアらしい個性を持つワインを生み出す、代表的な産地についてお伝えします。



●ピエモンテ州
古くは「山の麓(ふもと)」を意味する「ペデモンティウム」と呼ばれた、アルプス山脈の南側に位置する州です。山岳・丘陵地帯が多く、夏は暑く冬は寒い大陸性気候です。
ピエモンテを代表する黒ブドウ品種の「ネッビオーロ」から造られる高級赤ワイン「バローロ」「バルバレスコ」をはじめ、やや甘口のスパークリングワインである「アスティ・スプマンテ」や、ミネラル感あふれる香り高い白ワインの「ガヴィ」など、主に単一品種で幅広いタイプの優れたワインが生み出されています。

「ワインの王」「王のワイン」とたたえられるバローロは、長期熟成のポテンシャルを持ち、力強く濃密なワインです。一方でバルバレスコは「バローロの弟分」とも呼ばれ、バローロに比べて繊細さや優雅さが感じられるエレガントなワインです。
どちらもネッビオーロ種の持つ異なる魅力を、見事に表現しています。

●ヴェネト州
水の都ヴェネツィアがあるヴェネト州は、イタリアの中でもトップのワイン生産量を誇る大ワイン産地です。アルプス山脈が冷たい北風を防ぎ、南部に広がるアドリア海のおかげで温暖な気候を保つことができます。
白ブドウ品種では「ガルガネガ」がヴェネトを代表する品種で、上品な果実味とフレッシュな飲み口が魅力の「ソアーヴェ」の主要品種となっています。
赤ワインでは、「コルヴィーナ」「ロンディネッラ」「モリナーラ」などのブドウをブレンドして造られる、「バルドリーノ」や「ヴァルポリチェッラ」が有名です。
また、ヴァルポリチェッラ地区で造られる、個性的で秀逸な赤ワインに「アマローネ」があります。アマローネ用のブドウは収穫された後に3~4カ月ほど陰干しされ、水分が蒸発して糖度の高い濃縮した果汁のみが残ります。陰干し後に圧搾された糖度の高い果汁を完全に発酵させるため、造られるワインはアルコール度が高くなります。干しブドウの甘い香りやスパイシーな香り、ボリューム感があり、独特な苦みのあるリッチな味わいのワインです。長期熟成にも耐える偉大なワインと称されています。

●トスカーナ州
トスカーナはイタリアの文化の重要な中心地で、言わずと知れた「キアンティ(キャンティ)」の生産地としても有名です。丘陵地帯が多く、内陸部は大陸性気候ですが、海岸部は温暖な地中海性気候で、高品質なオリーブオイルの産地でもあります。
赤ワインの生産が8割以上を占め、しっかりとした酸とタンニン、スミレやブラックチェリーを思わせる香りが特徴的なブドウ品種の「サンジョヴェーゼ」を主体として、「キアンティ」「キアンティ・クラシコ(キャンティ・クラシコ)」「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」など長期熟成能力の高い優れたワインが造られています。

前述の「イタリアワイン・ルネッサンス」の牽引役となったのは、「キアンティ・クラシコ」地区の生産者たちでした。人気の高かった「キアンティ」の生産地区がどんどん拡大し、質の悪いキアンティが出回るのを嘆いた生産者たちは、ブドウ栽培やワイン醸造の見直しを行い、本来のキアンティの質を戻し、さらに向上させる運動を起こすに至りました。その結果、本来のキアンティの生産地域のみで独立し、「キアンティ・クラシコ」を名乗るようになったのです。

また、ボルゲリ地区では、「サッシカイア」「オルネライア」など「スーパートスカーナ」と呼ばれるワインも有名です。フランス・ボルドー地区の「カベルネ・ソーヴィニヨン」を栽培し、オーク材の小樽で熟成させて造られた赤ワインは、その品質の高さから一躍世界に名を知られるようになりました。

●シチリア州
長靴形のイタリア半島のつま先部分・カラブリア州の西南に位置し、イオニア海に浮かぶ島がシチリア島です。島の東端にあり、シチリアのシンボルとして知られる「エトナ火山」はヨーロッパ最大の活火山であり、世界遺産にも登録されています。
温暖な地中海性気候に恵まれ、ワインの生産量もイタリアの中で上位にランクインしますが、生産されるものの大半はブレンド用のバルクワインです。
四方を海に囲まれていることもあり、魚介と相性の良いすっきりとした白ワインが多く、州全体の生産量のうち6割ほどを白ワインが占めています。赤ワインは比較的軽めのものが多く、「ネロ・ダーヴォラ」「フラッパート」種で造られる「チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリア」などがあります。
近年は、エトナ近郊などの優れたテロワールがある土地で、意識の高い生産者がハイレベルなワインを造っています。フランス・ブルゴーニュ地方のグラン・クリュ(特級畑)並みの価格で取引されるワインも出てきている、注目すべき産地です。

また、シチリアのワインといえば、酒精強化ワインのマルサラも有名です。マルサラの歴史は古く、18世紀ごろにはイタリアワインの代表選手として人気がありました。
地元の品種で造られるベースワインにワイン蒸留酒、ブランデーなどを加え、熟成させて造られます。原料となるブドウ品種や甘さ、熟成期間の違いにより、異なるタイプのマルサラがあります。

イタリアワインの格付け


イタリアにおけるワイン法は1716年、トスカーナ大公国で定められたものが始まりとされていますが、国全体で統一的なワイン法が定められたのは1963年のことです。

●格付けは3つに分類
1963年に公布された法律では、ブドウの最大収穫量やアルコール度数などが厳しく規制された上級ワインを「DOC(統制原産地呼称ワイン)」とし、それよりもさらに上のランクで厳しい規則が設けられているのが「DOCG(統制保証原産地呼称ワイン)」です。DOCGにはバローロ、バルバレスコ、キアンティなどのワインがあり、年々認められるワインの数も増えてきています。
DOCに次ぐランクとしては「IGT(地域特性表示ワイン)」があり、産地のブドウを85%以上使用したワインに、その生産地の名前を表示することが認められています。
ワイン法では最も下に位置するのが「VdT(テーブルワイン)」です。ブドウ品種や生産地などの規定が特にないワインが分類されます。しかし、厳しい規定に捉われずに生産者が自由にワインを造ることができるため、一部では「サッシカイア」などのように非常に高品質なワインも生産されています。

近年まで、このように4つの分類に分けるワイン法が施行されていましたが、2008年に改正されたEUのワイン法に合わせてイタリアワイン法も2010年から改訂され、新たに3段階のカテゴリーに分けられることになりました。新しいワイン法では、今までのDOCと DOCGが「DOP(保護原産地呼称ワイン)」、IGTは「IGP(保護地理表示ワイン)」、VdTは「Vino」となりましたが、イタリア国内では従来通りの4段階の分類を表示することも認められています。

●ラベルはどう見る?
イタリアワインのラベルには、DOCGなどの分類をはじめ、瓶詰めされた町の名称、原産国、アルコール度数、内容量などの表示が義務付けられています。辛口・甘口といったワインのタイプや、ワイン会社の商標などの項目も任意で表記が許可されています。ワインによっては、商標がワイン名よりも大きく表示されていたりするので、少々わかりづらい部分があるかもしれません。
ラベルのデザインが個性的なものが多いのもイタリアワインの特徴なので、楽しみながら見るうちに見方を覚えていくと良いでしょう。

イタリアワインの多彩な個性を楽しんで、お気に入りを探そう


土地固有のブドウ品種で造られ地域に根付いた伝統的なワインや、規定に縛られず造り手の自由な個性が表現されたワイン、コストパフォーマンスが良くカジュアルに楽しめるワインなど、イタリアワインにはさまざまな「顔」があり、その多様性こそが魅力です。
個性豊かで、飲むとなんだか陽気な気分にもなれるイタリアワインの世界は、知れば知るほどその奥深さがわかるでしょう。
お気に入りの1本をぜひ探してみてください。



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