SALON COLUMN

牛肉のタルタル

2017.10.10



牛肉のタルタル

新鮮で清潔な牛モモ肉などの牛赤身肉をトリミングし、ミンチにして(丁寧に包丁で切っていくのが望ましい)、タマネギやエシャロットなどのシャキシャキ系野菜、イタリアンパセリ、シブレットなどハーブのみじん切り、卵黄を加える。味付けはオリーブオイルに塩コショウのシンプルなものから、マスタード、ウスターソース、タバスコを垂らしたりと様々。これらをよく混ぜ合わせて調理する。付け合せはポム・フリット(フライドポテト)がお決まり。これぞフランスのカフェ、ビストロでよく目にする定番、『タルタル・ド・ブッフ(牛肉のタルタル)』だ! お店により食感や味に違いがあり、誰もが自分のお気に入りの店を持っている。ちなみに食べたことがない人は焼肉屋さんで出てくるユッケを上品にした感じだと想像すると遠くない。

 

そんなタルタルの起源は諸説あるが、ユーラシアの騎馬民族だったタタール人が遠征のとき、馬肉をミンチにして岩塩などで味付けして食べていて、それがヨーロッパのゲルマン民族に伝わり牛肉でタルタルを作るようになったというのが有力だ。日本ではタルタルと言うとマグロのタルタルを連想する人が多いが、以前はフレンチレストランを中心に、きちんとした牛肉のタルタルを目にすることができた。しかし、数年前のユッケ食中毒事件を皮切りに、外食産業での生肉の提供に非常に厳しい条件がつくようになり、コストに見合わないということで日本のレストランで一般的に食べることが難しくなってしまった。衛生管理を軽視した格安焼肉店の作り置きユッケが原因で、フランス料理の文化の一つだった『タルタル・ド・ブッフ』が日本から実質的に失われたのは非常に残念なことだ。

 

それでも、日本で食べることが出来るレストランはあるし、ご当地フランスに行ったときには苦手でなければ是非チャレンジしてもらいたい。「作り置きではないですよ」と言うように客の目の前で混ぜ合わせることも多い。

 

もともと気軽な料理だし、ワインは、なめらかな肉の質感に合わせて果実味豊かなラングドックの赤ワイン、ローヌのグルナッシュやシラー、ロワールのシノンなんかがよいと思う。シャンパーニュ地方のビストロでもよく見かける『タルタル・ド・ブッフ』、こちらではやっぱりシャンパーニュ。少しピリ辛に仕上げて、泡の刺激と合わせてみるとこれはまた素敵なマリアージュとなるだろう。付け合せのポム・フリットも軽やかで脂っぽくなく、ついつい食べてしまう。ご当地で食文化に触れる。それも旅の楽しみだ。

 

そんな気軽なタルタルをレストランで食べるとどうなるか。フランスではないがモナコのロブションで食べたタルタルは絶品だったなぁ。



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