SALON COLUMN

牡蠣

2017.09.26



牡蠣

本格的なオイスターバーが増え、ようやく美味しい生牡蠣が身近になりつつある日本だが、どうしても生牡蠣に対して「あたる」イメージがあって敬遠されたり、衛生上の理由ということでいったん水洗いした生牡蠣を食べさせる店がほとんどだったり、もうひと頑張りしてほしい日本の生牡蠣文化。とはいえ、女子を中心に生牡蠣大好きの人も増えているようで、事情は少しずつ進化している。

 

フランスでは生牡蠣は大人気食材のひとつ。クリスマスには木箱に入った生牡蠣を争うように買って帰り、自宅で楽しむ。自分で殻を開けない人はエカイユと呼ばれる専門の牡蠣開け職人がいて、頼むと蓋を外しておいてくれる。クリスマスでなくとも、普段から街にはユイットリーと呼ばれる生牡蠣専門のレストランがあり、いつも人が絶えず、ミュスカデやソーヴィニヨン・ブランなどの気軽なワインを片手に生牡蠣を楽しむ。1ダース(12個)単位で注文するのが普通だ。料理は基本的に生牡蠣か、あってもエビぐらいで、ひたすら生牡蠣を食べる。

 

1人12個というのはいささか多いのではないか?と思われるかもしれないが、心配ご無用。フランスの牡蠣は日本に比べ小ぶりなものが主体なのだ。カキ殻の大きさごとに番号で区別されていて、2番とか3番と言われる名刺サイズより少し小ぶりなサイズが人気。味も貝柱のコリッとした食感と海の味わいが中心で、クリーミーなものは少ないのでたくさん食べられるのだ。

 

ボルドー近郊の大西洋に面したリゾート地アルカションや、ブルターニュなどか牡蠣の一大産地であり、現地では牡蠣をひたすら食べられる、いわゆる「牡蠣小屋」が何件もある。さらに、ジラルドーなどいわゆるブランド牡蠣もあり、一段と味が良いこれらの牡蠣は高級だが人気が高い。それでも、日本の外食で一般的に食べる牡蠣よりも安価だ。

 

最近、そんなフランスの牡蠣に触発されて、日本でも生食に適した美味しい牡蠣の養殖が研究されている。フランスの牡蠣のように小粒で、クリーミー過ぎない牡蠣だ。ワインに合う牡蠣とも言えるだろう。また、牡蠣で食中毒になるケースで多いのはノロウイルスなどへの感染だが、これは流通過程、調理過程での感染、あるいは生産海域で海に流入する排水のノロウイルスが牡蠣の内部で濃縮されるケースがほとんどだという。そのため、生活排水とは無縁の清浄海域で養殖され、しかも多くの人に触れられる可能性がある市場での陳列を避け、生産者から直接、お店に納入されるケースも増えてきている。こういったお店では牡蠣への知識や衛生への意識も高く、安全に、しかも牡蠣の醍醐味である「海水ごと」の生牡蠣を味わうことが出来る。このような安心、安全で美味しい生牡蠣のお店が増えるてくると本当に嬉しい。



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