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アイスワインとは?氷点下で生み出される極甘口ワインの特徴や飲み方

2017.06.07



アイスワインとは?氷点下で生み出される極甘口ワインの特徴や飲み方

とろりとした芳醇な甘みが魅力のデザートワイン。食後酒とも呼ばれ、代表的なものにアイスワイン貴腐ワインがあります。
中でも偶然が重なり誕生したアイスワインは、その貴重さから「貴族のためのワイン」といわれていました。
今回はアイスワインについて詳しく知りたい人のために、アイスワインの誕生秘話や魅力、おいしく飲む方法をご紹介します。

【目次】
1. アイスワインとは
2. 氷点下で収穫するアイスワインの製造法
3. アイスワインの主な産地
4. アイスワインをおいしく飲むコツ
5. 甘さ以外も凝縮されているアイスワイン

アイスワインとは


アイスワインとは「凍っているワイン」ではなく、凍ったブドウを用いて造られるワインのことです。

●デザートワインの一種
デザートのときや食後に楽しむ甘口のワインをデザートワインといいます。
自然凍結されたブドウの実だけで造られるアイスワインも、極甘口のデザートワインの一つです。完熟したブドウが冬の寒さにさらされると、果実内の水分が減って果汁が凝縮され、糖度が高まるため、甘口のワインになるのです。
凍ったブドウ一房から採れる果汁はスプーン1杯程度と、わずかな量しか造ることができません。また、樹にブドウを実らせたまま凍らせるため、鹿や鳥などにブドウを食べられてしまうワイナリーも少なくありません。こうした理由から、アイスワインは希少性が高くなっています。

●貴腐ワインに比べ飲み口がさっぱりしている
デザートワインの一つである貴腐ワインも、アイスワインと同じ極甘タイプのワインです。貴腐ワインはハチミツのようにねっとりとした甘さの飲み口である一方、アイスワインはさっぱりとした飲み口で、口に含んだときに芳醇な甘さが広がります。

●偶然から生まれたワイン
アイスワインは今から200年以上も前のドイツ・フランコニア地方で、偶然によって生まれました。ある冬、予想外の霜に襲われたフランコニア地方の農場では、完熟したブドウが収穫されずに放置され、凍ってしまったので処分しなければなりませんでした。ところが、あまり裕福ではなかった当時の農民たちが、その凍ったブドウでワインを造ってみたところ、とても芳醇な香りと甘さのワインができたといわれています。

●1980年代からカナダでも製造
ドイツでアイスワインを造っていた生産者たちは、アイスワインを安定して造ることができる場所を求めて、カナダへ移住しました。そして1980年代から、冬には極寒を迎えるオンタリオ州ナイアガラ・オン・ザ・レイク地方で、アイスワインの製造が始まりました。

●現在の主な生産国
アイスワインという名称は国際登録商標であるため、オーストリア、ドイツ、カナダの3カ国で生産されたものにだけ使うことができます。それ以外の国で同じ製法で造られたとしても、製品名をアイスワインとすることはできません。

氷点下で収穫するアイスワインの製造法


アイスワインがどのように造られているのか、カナダでの製造法を例に見てみましょう。

●アイスワインの製造法
一般的なブドウの収穫時期は9月から10月ですが、アイスワイン用のブドウの収穫時期は12月から2月頃です。鳥獣被害を避けるためのネットをかけて、ブドウはそのまま樹で完熟させます。
真冬の12月から2月頃、気温が氷点下8℃以下に下がったら、夜間から早朝にかけて凍った状態のブドウを収穫します。極寒の中、全て手作業でブドウを摘み取らなければなりません。収穫後、凍ったままのブドウをただちに圧搾し、凝縮された果汁を抽出します。その後、果汁を発酵させるとアイスワインの完成です。

●人工的な製造法もある
アイスワインのような甘口ワインを人工的に造る製造法が、「クリオ・エクストラクション法」(cryo=冷凍の、extraction=抽出)です。人工的にブドウを氷結して、アイスワイン同様の甘さを生み出します。日本でもクリオ・エクストラクション法を使用して、ワインを造っている所があります。アイスワインに似た味わいで、アイスワインよりも安く入手できるものが多く見られます。

アイスワインの主な産地





アイスワインが造られているのは、発祥地のドイツ、波及地オーストリア、シェア約40%にもなるカナダの3カ国です。

●カナダのアイスワイン
冬の寒さが厳しいカナダでは、アイスワインの製造が盛んです。中でも、ナイアガラは栄養豊富な土壌と、オンタリオ湖から吹く風が夏の暑さや冬の厳しい寒さから木を守るという自然条件がブドウ栽培に適しているため、カナダのアイスワインの主な産地となっています。

・「VQA(Vintners Quality Alliance)」により品質を保証
カナダのVQA(Vintners Quality Alliance、ブドウ醸造業者資格同盟)では、アイスワインの製造について細かく規定を設けています。例えば、樹上で自然に凍結させたブドウであること、氷点下8℃以下の日が3日間続いてから収穫することなどです。この厳格な基準を満たしたワインにはVQAのラベルが貼られています。カナダのアイスワインを購入するときは、VQAラベルの有無を確認すると良いでしょう。

・代表的な銘柄
世界最高峰の甘口ワイン生産者、イニスキリン社が造るアイスワインが有名です。「ゴールド オーク・エイジド ヴィダル アイスワイン」「シルバー・リースリング・アイスワイン」「ヴィダル・アイスワイン」などがあります。

●ドイツのアイスヴァイン
ドイツでは、収穫されたブドウの糖度による格付けがあり、上から「トロッケンベーレンアウスレーゼ」「アイスヴァイン」「ベーレンアウスレーゼ」「アウスレーゼ」「シュペトレーゼ」「カビネット」となっています。アイスヴァイン(アイスワインのこと)は上から2番目の等級です。ドイツのアイスワインはアルコール度数が5.5パーセントから、と低いのも特徴の一つです。

・代表的な銘柄
ドクター・ローゼンが造る「リースリング・アイスヴァイン」が有名です。
ドクター・ローゼンは、ワイン誌『ゴー・ミヨ誌』にて2001年に「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」に選出され、イギリスのワイン誌『デカンター誌』でも2005年に「マン・オブ・ザ・イヤー」に選出されるなど、世界的な評価を得ています。

●オーストリアのアイスヴァイン
1171年よりワインを生産し、オーストリアで現存する最古のワイナリーの一つ、シュロス・ゴベルスブルクが造る「グリューナー・フェルトリーナー・アイスワイン」が有名です。

アイスワインをおいしく飲むコツ


甘いアイスワインをよりおいしく楽しむには、よく冷やし、グラスに少しだけ注ぐのがポイントです。

●ワインをよく冷やす
甘味がすっきりと感じられる、低めの4℃~8℃程度で冷やしましょう。冷やしすぎると、香りや果実味が閉じこもってしまい、アイスワイン本来のおいしさを楽しめないので注意してください。

●グラスには少しだけ注ぐ
アイスワインに凝縮されている芳醇な香りを最大限に楽しむために、底が広い大ぶりのグラスで楽しみましょう。グラスに注ぐときはグラスの底に少し、20ミリリットルくらいが適量です。軽くグラスを回すと、ワインが空気に触れて香りが広がります。

●食後のデザート代わりに
甘口のアイスワインそのものを、デザートの代わりとして楽しむこともできます。
食べものと合わせる場合は、少し甘さ控えめのデザートと組み合わせても良いですが、塩分の強いブルーチーズとも合います。

甘さ以外も凝縮されているアイスワイン





真冬のドイツで起きた奇跡から誕生したアイスワイン。収穫時期をあえて遅らせ、ブドウを凍らせることで、甘さが凝縮されて何とも言えない芳醇な香りと甘味が生まれます。
凍ったブドウ一房からは、わずかスプーン一杯程度しか果汁が採れず、気候条件が揃わなかったり、鳥獣被害に遭ったりすると、ブドウを収穫できないこともあります。それだけ貴重なアイスワインには、造り手の努力の全てが凝縮されています。
自宅で楽しむのはもちろん、レストランで食事後のデザート代わりに注文すると、うっとりするような時間を過ごせるでしょう。一度ご賞味ください。

<おすすめアイスワイン>
アスコニ・モルドバ・ アイスワイン  カベルネソーヴィニヨン 2015 / ¥4,300税別



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